空木岳(2864m)                        長野
                                      2011.8.4〜5 晴

7月末の新潟・福島の記録的豪雨の後、上信越の天気が安定しない。
当初予定の2日出発も急遽変更せざるを得なかった。
空木岳は昨年来の宿題として残っていたが、そのテーマは岡山出発帰着含めて1泊2日に収めることなのだった。
木曽殿山荘は夕方4時半に到着しなければ、5時の一斉夕食にあり付けない。   

8月4日(木)
岡山IC2:30−7:20駒ケ根菅の台P7:42〜バス〜しらび平8:30〜ロープウエー〜千畳敷8:50−極楽平9:25−
檜尾岳12:30−熊沢岳14:30−東川岳16:10−木曽殿山荘16:40

予定では千畳敷を歩き始めるのが10時と見込んでいたが、菅の台Pに1時間早く着き、バスとロープウエーの乗り継ぎも順調で千畳敷出発が1時間少々早まった。これがなかったら夕食アウトだっただろう。
中央道恵那の辺りから川霧かモヤか、本日の天気が心配になってくる。千畳敷に着くまで視界は無かった。

出発前、靴の紐を絞めている間に、ガスに隠れていた宝剣岳も綺麗に晴れ上がった。
稜線上の極楽平に着いた。
ロープウエー駅を眼下に眺め、いよいよ稜線歩きのスタートだ。
最初のピークの島田娘に向かう。
右手に宝剣岳から分岐した三ノ沢岳を眺めながら、
花を愛でつつの快適なトレイルである。
イワギキョウ
イワヒバリ
次のピークは濁沢大峰だ。
辿り着いた濁沢大峰には銘の消えた木の標柱がポツンと建っていた。
濁沢大峰の下りから岩稜越えになってくる。
無名のピークの殆どは乗り越えなければならず、後半にその疲れが出ることになる。
檜尾尾根の稜線上に小さな檜尾避難小屋(左上)が見えて来ました。
岩稜帯は続きます。
やっと到着、檜尾岳2727(フナフナ)m
山小屋のアルバイトしていると云うシェルパ風の若者2名は檜尾避難小屋方面に下って行きました。スリッパ履いて私達と同じルートを来たんですよ。
NHKで放映あったヒマラヤのキッチンボーイサンゲに良く似ていたので、尋ねてみたけど日本の若者でした。やはり新種の山ボーイでしょうか。
この度のチーム空木3名、全員写真です。
午後になるといつものようにガスが出てくる。
約1時間程遅れているが慌てず焦らずです。
食事時間や休憩を入れるとこんなものでしょう。
そろそろ熊沢岳でしょうか。
大岩を登りきると熊沢岳2778mだった。
そして更に1時間40分喘ぎながら岩稜ピークを幾つか越え、
本日最後のピーク東川岳2671mに着いた。
急坂を慎重に下り、何とかセーフで夕食前に辿り着けました。
木曽義仲が乗り越えたと云う木曽殿越です。
おでんの夕食、ビールで乾杯!
特にSさんは今までで一番キツイ行程だったようで、それだけに感激は格別でした。
今日は私達も何名何組も追い越してきた。昨日も同じ行程に12時間要して到着した人達もいたとか、とにかくデータより時間掛るコースです。


8月5日(金)
木曽殿山荘5:40−第1ピーク6:40−7:20空木岳頂上7:40−駒石8:20−池山避難小屋分岐水場11:50−林道終点東屋13:10−
三本木地蔵下林道13:30〜タクシー〜駒ケ根菅の台P13:45〜こまくさの湯ー駒ケ根IC−岡山IC21:40

今朝はゆっくり出発する筈だったが、5時が一斉朝食とのこと。
食事、トイレを済ますと落ち着く場所も無い。夫々が出発して行く。
私達も予定より随分早い出発となったが、山は早立ちに限る。
8割方は同方向だ。昨日今日と抜きつ抜かれつの間柄なので、自然と仲間意識も出る。
特に愛知の若手男性の2グループからは、私達、岡山の3人はスーパー古希組と一目置かれる?ことになる。

見えているのは第1ピーク
第2ピークから岩場となり、第3のピークが空木岳の頂上となる。
朝一の急登はきつい。
木曽殿山荘が真下になる。
もうすぐ第1ピークだ。
右手の南木曽駒ヶ岳の高さに近づく。
昨日辿って来た稜線の向こうに見えるのは御嶽山
第1ピークまで登って来ました。
聳え立つ第2ピークが難所です。
その奥に小さく本峰が覗いています。
最後の難関、第2ピーク乗り越えの始まりです。
暫く息の付けない登りですが、頑張ってよじ登り、飛び越えます。
鎖やロープなく、3点支持の基本が求められる場所だった。
快晴の頂上
よどみない紫外線に曝された空木岳山頂です。
全ての疲れが吹っ飛ぶ。
今日はたっぷり時間がある。思い残すことなくゆっくりしよう。
鋸岳、甲斐駒、千丈、北岳、農鳥
昨日見えていた富士山は見えずです。
下山道
真下の駒峰ヒュッテのテラスを通って稜線奥の駒石を経由して下ります。
右手の谷間樹林帯の空木岳避難小屋を通ると、視界なく、余分な登り返しがいる。
駒峰ヒュッテのテラスを通らせて貰います。
巨岩が次々現れる。
駒石はこの又先のようだ。
空木岳を振り返る。
とても優しい表情の山ではないか。
こちらからのピストン往復だけでは西面は判らない。
物事には表と裏は違う道理だ。

今日6日は広島の原爆忌だった。
原爆も原発もどちらも同じ核分裂反応による。
だから、原発も反対だという意見を述べていた参列者がいた。
それなら包丁はどうだ。
凶器にもなるが、美味しい料理には欠かせない。
どちらも切れ味を求められる刃物ではないか。
アホカンもいた。見苦しい。山はいい。
駒石
さすがに立派な大岩だ。前後の誰ひとりこんなポーズ見たことなし。
岡山3人のスーパー古希組と一目置かれるゆえんかな?
その後、樹林帯に入る。
ニッコウキスゲが見頃だった。
大地獄、小地獄の痩せ尾根下降は不慣れな人には難所である。
この池山尾根は標高差が2000mもある。
下りでも閉口するが登りはしたくない。
池山避難小屋分岐水場で口を潤し、顔を洗う。
ここへ下る前の分岐が尻無で、登山道と遊歩道のどちらも1.7kmとなっていて、私達は楽そうな遊歩道を選んだが、登山道の方が良かったかも知れない。今度来るときは登山道と決めた。

ここからは未だ緩い勾配の遊歩道が1時間半程続き、林道終点の東屋に着いた。
以前はそこまでタクシーが来れたが、今は途中崩壊していて、更に三本木地蔵経由で登山道を下らなければならない。
東屋から最終電話しておくと丁度良い。三本木地蔵下の林道出合で迎えのタクシーに乗り込んだ。
そしてこまくさの湯では、二日間行動を前後した幾つかのグループと共に汗を流すこととなった。
食事と休憩の後、帰路に着いた。
高速の流れはとても順調で、所期の目的を果たすことが出来たし、天気含めて、記憶に残るとても素晴らしい山行となりました。
同行のお二人に感謝申し上げます。

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